フィクションみたいなお客様

【喜怒哀楽のコーナー】

強烈な嬉楽の感情です。
特定できないようにフェイク入れました。
ある日お客様が事故にあい、公道を走ることができない状態(ライトが割れたり、ミラーが折れたりなど)になりました。
レッカー業者を呼ぶから大人しく待ってろとご案内いたしましたところ、
「これから用事があるのになんで1時間も待たなくちゃいけないんだ!」と言われました。
これは毎日様々なお客様がおっしゃっていることなので耳の穴をほじりながら聞いてました。あくまでも平均時間を言っただけであり実際は40分でレッカーが来てくれたりするのですが、そういった細かい説明も聞かずにお客様はかなりバイブスが上がっていました。
ここからです。お客様は仰せになりました。

「私は【偉い役職(医者・弁護士・政治家・社長など)】なんだぞ!!!どうにかならんのか!!!」

私のほうがバイブスブチ上がってしまいました。ウトウトしながら聞いてたのに一気に目が覚めました。
ま、漫画のキャラクターみたいなこと言ってる〜〜〜!!!!!!
昨今ではコテコテのギャグシーンでしか見られないようなセリフを吐く人がいるなんて!!
感動は止まりませんでした。

「もういい!このまま走っていく!!」
捕まるってちょっとぉ!!!!!!
このセリフの前に私は「公道を走るのは危険なので、レッカーをお手配しますね」とご案内しておりました。それすなわち、「このまま公道走ったら普通に警察に捕まるし責任取れないしこっちもめんどくさくなるから勝手に走ろうとするな」という意味です。
法律も許しません。
そもそも法律というのは権力や金でどうにかしようとするやつの横暴を防いだり、二次被害を避けるためにも存在しています。
法律に反することをどうぞどうぞ〜!なんて言えません。
私は内心すげぇおもしれえことになってきた〜と思いましたが、
「それはオススメいたしかねます…!危険なのでオススメいたしかねます…!」と切実にお客様にお願いし続けました。
そのうち警察が到着し、「警察が来たから!」とブチッと電話を切られました。

楽しかったです。いつものわがままなお客様とはひと味違うスパイシーなお方でした。事の顛末は流石に特定につながるので、よくあることまでにしておきます。ご想像におまかせします。
(2023/02/06)

こちらの配信で取り上げさせていただきました。